結核という病気を過去のものと思ってませんか? その1

query_builder 2021/10/18
ブログ
結核患者

皆さんは、結核という病を上の写真のような過去の病気と思っていませんか? この写真は昭和6年の神奈川県の結核療養所です。

私の臨床経験では、かなりの確率で現代の人も結核を保菌しております。診察で、私からその症状は感染症によるもので、主に結核菌ですね・・・と告げられた患者さんも多いと思います。

結核は肺に入った結核菌により感染します。しかしながら発症は、感染者10人に1~2人です。ここで大事なことですが、感染と発症(発病)は違うということをよく理解してください。私たちの体内には無数の菌やウイルスが存在しています。つまり感染です。しかし、健康で免疫システムがしっかりと働いていれば、それらは免疫に抑えられて、症状が出るような発病はしません。菌やウイルスは休眠状態になります。あくまで休眠です。この時、人は治ったと思い込みます。治ったのでは無く、休眠です。しつこくて申し訳ないですが、ここを良く理解してください。

結核の症状は咳、痰、血痰、胸痛などの呼吸器関連症状と、発熱、冷汗、だるさ、やせなどの全身症状です。 結核は、インフルエンザなどと違い、ゆっくりと進行し、初期の症状が軽いため、自分ではなかなか気づかず、残念ながら診断時にはかなり進行していることが多いです。発症した結核患者の咳やくしゃみで結核菌が空気中に飛び、人の肺に吸い込まれることで感染します。先にも書きましたが、健康状態ならば、結核菌を免疫が封じ込め撃退してくれます。この状態を「既感染者」と呼び、重症患者の近くにいてもうつることはほとんどありません。では、現在の日本で、世界でどれくらいの患者がいるのでしょうか?

いかがですか? 今の日本でも毎日40人の人が罹患して、6人の人が亡くなっています。世界では毎年140万人の方々が亡くなっています。

結核はとても怖い病気ではありますが、栄養状態が取れた現代の日本ではそれほど怖がらなくてもよい疾患です。しかし、昨今の新型コロナウイスルの発現で事情が変わってきました。公益財団法人結核予防会も警笛を鳴らしています。次回のブログはこの続きを綴ります。

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