手足、足先など末端のしびれと神経支配領域について
今日は、手足の末端の痺れ(しびれ)について書きます。末端だけでなく太ももやお尻などに痺れを感じる人も参考になるので是非ご覧ください。
上にある神経支配領域のイラストですが、中学とか高校の理科の教科書で一度は見たことがあるのではないでしょうか? これはデルマトームと言って、皮膚の感覚が背骨のどこから出る神経に支配されているかを現すイラストです。背骨は、首(頸)、胸、腰の骨と末端の仙骨で構成されています。脛骨は7個、胸骨は12個、腰骨は5つと1つの仙骨で構成されています。神経はそれぞれの骨の間から、そこに行く専用の神経があります。つまり脳に近付けば近付くほど、たくさんの神経が束になるということです。なんかおかしな配置だなあと感じると思いますが、これはヒトが元々四足歩行だったことがうかがえるのです。
このイラストなら納得できると思います。
私たち治療家(もちろん医師も)が患者さんの症状を確認するとき、このデルマトームをイメージしながら診察していきます。このデルマトームを知ることは、反射異常と筋力低下の状況を知ることとともに,脊椎や脊髄の疾患における病巣の位置を診断するのにとても有用なのです。ちなみにしびれに関しては、神経異常以外にもたくさんの要因が考えられます。手足の末端の痺れであれば糖尿病や、全身に渡るようでしたら脊髄炎などの疾患もあります。ただ、今回はそういう根の深い疾患ではなく、あくまで神経異常についてです。
診察で例えば、手の指先に痺れを(感覚異常や筋力低下)感じる方は、まず、頸椎5-7番(7つある頸椎のうち上から5-7番目)を確認します。頸椎ヘルニアとか椎間板ヘルニアとか聞いたことがあると思います。下のイラストのように、ヘルニアはある部粉が脱出して、それが神経を圧迫するので、その神経支配領域の場所があたかも異常があるように感じるのです。
私の治療では、このデルマトームを参考にしながら、実際にその異常付近を筋肉反射テスト(TRテスト)で診察してきます。例えば、中指の痺れは頸椎の7番とされていますが、実際には、ヒトによりその神経経路は微妙に変わります。ですので、筋肉反射テストでは正確に、そして微細に異常個所を突き止めていきます。あとは、仙骨で全体のバランスを整え、後頭部に刺鍼となります。
整形外科ではこういった疾患は治りません。この部位にブロック注射など打たれたら、私は考えただけでも怖くなります。異常部位に麻酔薬を直接注射するなど、治ろうとする力も麻酔で弱まってしまいます。痛みだけは少しの間感じなくなりますがそれが治療と言えるのでしょうか?
蛇足ですが、心臓に疾患のある方は、口やあごの周りに、イヤーな感覚になることがあると思います。これは、心臓を支配する自律神経がこの領域もカバーしていることによります。近いうちそのことについてもまたブログで書きたいと思います。
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