ヒトに備わっているシステム
ブログでも記載していましたが、昨年末に義父が永眠いたしました。義父本当にやさしい人で、私にもとてもやさしく接してくれました。身内の死は本当に悲しく辛いものです。特に妻は、幼少期から大のお父さん子だったので、その辛さは計り知れません。
妻がどうしても自宅で看取りたいとのことでしたので、まわりもできる限り協力をして実現できました。義父が退院したその日は、病院での点滴のためか顔がものすごく浮腫(むく)んでこわばった表情をしていました。2日ほどすると、自宅に戻ったせいか、義父の顔つきも穏やかになり、浮腫みも無くなりました。
義父は退院時からほとんど意識がなかったのですが、一度だけ孫たちが皆集まったときにとてもはっきりと意識が戻ったのです。後に思えば、義父の最後の挨拶だったのでしょう。それ以後、義父は意識が戻ることなく数日後に亡くなりました。
亡くなるまでの間、安らかに逝けるよう、ベットの横で何度も私の治療をしました。義父はとても体の弱い人だったのですが、TRテストで各臓器を診てもほどんど悪いところがないのです。死に近づくにつれてTRテストの反応も弱くなり、死と共に反応は無くなりました。亡くなる前の3日くらいは呼吸も弱く、幾度となく呼吸が止まっていました。
身体に詳しい方でなくても、延髄という名前も聞いたことがあると思います。後頭部にある脳の一部です。アントニオ猪木が繰り出す蹴りはここを狙っていたので、延髄蹴りと言われたのです。大脳、中脳、小脳、そして視床や下垂体、橋、松果体など脳のほとんどの部位が機能を果たさなくなっても、生命を司る延髄だけは、死ぬ時まで機能しているのです。医療に携わる者として、義父の死は、ヒトの神秘と素晴らしさを改めて実感するとともに、私の行う治療こそが最高の治療であることを改めて思い知りました。
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